「求人票を信じて入社したのに、現場は全然ちがった…」
転職相談を受けていると、こうした声をよく耳にします。
実際、求人票には魅力的な言葉がたくさん並んでいますが、言葉だけでは“本当の姿”は見えません。
この記事では、転職支援の現場で多くの求職者と向き合ってきた経験をもとに、「求人票の正しい見方」「騙されないためのポイント」を解説します。
求人票は“広告”であるという前提を忘れない
求人票は、企業が人を集めるために出しているもの。
つまり本質的には「広告」であり、企業側が魅力的に見せようとするのは当然のことです。
そのため、表面的に良さそうに見えても、実際には…
「風通しがいい」=言いたい放題でまとまりがない 「未経験歓迎」=誰でもいいからとにかく人手がほしい 「20代が活躍中」=定着せず30代以上が残っていない
など、ポジティブに見える言葉の裏にネガティブな側面が隠れていることもあるのです。
よくある「危険ワード」とその裏読み
アットホームな職場
表:温かく人間関係が良さそう 裏:私語が多すぎる/距離感が近すぎる/上下関係が濃い
見抜くヒント: 社員の年齢層や上下関係の文化を面接時にチェック
未経験歓迎!研修制度充実!
表:スキルがなくても安心 裏:教育体制が不十分で属人的なOJTのみ/離職率が高い
見抜くヒント: 研修期間の長さや内容、配属後のサポート体制を聞いてみる
頑張った分だけ稼げる!
表:成果主義でやりがいがありそう 裏:固定給が極端に低い/インセンティブが不透明
見抜くヒント: 平均年収や最低保証、実績者の割合を質問する
求人票で見るべき“数字”と“情報の出し方”
求人票には、気になる情報が書かれていないことも多いですが、載っている情報の「出し方」にヒントがあります。
1. 給与欄の幅が広すぎる
→ 「月給25万〜70万」など、幅が広すぎる場合は注意
→ 実際には下限スタートがほとんど
見抜くヒント: モデル年収の内訳や達成難易度を確認
2. 福利厚生が「社内イベント」とかだけ
→ 本当に福利厚生が充実している会社は、住宅手当・資格補助など生活に直結する支援がある
見抜くヒント: イベントやレクリエーション系ばかり強調されていないか要確認
3. 勤務時間や残業に曖昧な表現が多い
→ 「残業少なめ」などの主観的な表現は危険。実数が書いてあるかがポイント
求人票だけで判断せず、第三者の視点を持つ
求人票はあくまで“企業が見せたい姿”。
それだけで判断するのはリスクが高いです。
信頼できる情報を得るためには、以下のような手段を組み合わせましょう:
口コミサイト(OpenWork・ライトハウスなど)で社員の声を確認 SNS(特にX)で実際の社員の投稿をチェック 面接時に職場の雰囲気や働き方を質問 転職エージェントに内部情報を聞く
求人票を「自分の軸」で見極めることが大事
どれだけ待遇が良く見えても、あなたの価値観や将来像に合っていなければ、ミスマッチになります。
「その会社で働く自分が想像できるか」 「1年後、誇れる成長を実感できそうか」 「仕事終わりの自分がどんな表情をしていそうか」
求人を選ぶときには、こうした**“内面的な基準”**を大切にしてみてください。
まとめ|求人票は「入り口」に過ぎない
求人票は魅力的に見えるよう作られているものです。
だからこそ、表面的な言葉や条件に惑わされず、自分なりの判断軸を持って見抜く力が大切です。
この記事が、これから転職活動を始める方や、自分に合った仕事を探している方のヒントになれば幸いです。

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